ユーザーガイド - 4. Fink のアップグレード
この章は、 Fink を最新かつ最高に更新する方法を解説します。
4.1 バイナリパッケージでのアップグレード
バイナリディストリビューションだけを使っている場合、特にすることはありません。 最新の一覧に更新し、全てのパッケージを更新するだけです。
dselect の場合、"[U]pdate" を押して "[I]nstall" するだけです。 もちろん、この間に "[S]elect" を実行して選択されたものと新しいパッケージを確認することもできます。
apt では、 apt-get update
を実行して最新の一覧を取得し、 apt-get upgrade
を実行して全てのパッケージを最新に更新します。
Fink Commander では、 Binary->Update descriptions を選択してパッケージリストを更新し、 Binary->Dist-Upgrade で新しいバージョンに更新します。
詳細、特に 0.3.0 より前のバージョンの Fink からアップグレードする場合は、 アップグレード表 を御覧下さい。
4.2 ソースディストリビューションのアップグレード
アップグレードは2ステップあります。 1. パッケージ記述をダウンロードします。 2. このパッケージ記述を使って新しいパッケージをコンパイルします。 必要に応じてソースコードもダウンロードします。
Fink 0.2.5 以降であれば、最初のステップは fink selfupdate
を実行します。
このコマンドは Fink ウェブサイトを新しいリリースが用意されているか確認し、自動的にパッケージ記述をダウンロード、インストールします。
最近のバージョンの fink
コマンドでは、 CVS または rsync から直接パッケージ記述を取得する選択肢もあります。
CVS はバージョン管理レポジトリで、パッケージ記述が保存・管理されています。
CVS には連続して更新できる利点がありますが、CVS サーバーが一つしかなく、トラフィック量に依って不安定になりやすい欠点があります。
このため、一般ユーザーは rsync を使うことをおすすめします。
rsync にはミラーが複数あり、欠点は CVS からのパッケージ記述の更新に1時間かかることです。
(ソースインストールで問題がある場合、特殊な方法を参照して下さい)
0.2.5 より古いバージョンの Fink の場合、手動でパッケージ記述をダウンロードして下さい。 ダウンロードエリアで最新の packages-0.x.x.tar.gz tarball を "distribution" モジュール内で探します。 ダウンロード後、以下のようにインストールします:
tar -xzf packages-0.x.x.tar.gz cd packages-0.x.x ./inject.pl
パッケージ記述をダウンロード後 (どのような方法であれ)、全てのパッケージを fink
update-all
で一括更新します。
Fink Commander を使ってソースディストリビューションを更新する場合、 Source->Selfupdate を選択して新しいパッケージ情報ファイルをダウンロードし、 Source->Updata-all を選択して古いパッケージを更新します。
4.3 バイナリとソースの混在
もし、コンパイル済みパッケージとソースからビルドしたものを使っている場合、両方のアップグレード方法をする必要があります。
最初に dselect
か apt-get
を使ってバイナリで提供されているパッケージの最新バージョンを取得し、次に fink selfupdate
と fink update-all
で現在のパッケージ記述を取得し、残りのパッケージを更新します。
fink 0.23.0 からは、 UseBinaryDist オプション (
--use-binary-dist (or -b) オプション
あるいは Fink 設定ファイルで設定可能)
を使用することで、 fink selfupdate
実行時にソースとバイナリ記述を更新します。
これにより、 apt-get
の実行は必要なくなりました。
Fink Commander を使用している場合、 Binary->Update descriptions を選択してパッケージ一覧を更新し, Binary->Dist-Upgrade packages でパッケージを更新します。 この後、 Source->Selfupdate で新しい情報ファイルをダウンロードし、 Source->Update-all を行います(詳細は前の節を参照)。