Fink

パッケージ作成 - 1. 始めに

1.1 パッケージとは何か?

パッケージとは,基本的単位を構成するソフトウェアのまとまりを指します. 典型的なパッケージには,例えば実行可能プログラム,それが必要とするデータファイル, 国際化のためのメッセージカタログ,そしてドキュメントが含まれます. Fink のパッケージには2種類の形式があります. すなわちパッケージ記述情報と,そのままインストール可能なバイナリパッケージファイルです.

パッケージ記述情報は人でも読めるテキストファイルで, パッケージをビルドするために必要な (つまりバイナリパッケージファイルを作るのに必要な) 全ての情報を含みます. それにはメタデータ (パッケージ名や目的を記した文章) やソースコードの URL の他, パッケージの configure ,コンパイルやバイナリパッケージの生成に必要な命令が書かれています.

バイナリパッケージファイルとは,パッケージを実際に構成する各ファイルのアーカイブを指し, 中には実行可能プログラム,データファイル,メッセージカタログ,ライブラリ,インクルードファイルなどが含まれます. また,そのパッケージに関するメタデータも含まれます. バイナリパッケージは既にそのまま使用できる形式ですので,インストールとは主に中身の展開です. Finkはパッケージ管理システム dpkg の上に構築されたシステムですので, バイナリパッケージには dpkg の形式が使われ,拡張子は .deb です.

1.2 パッケージの区別

パッケージは3つの文字列で区別されます. すなわちパッケージ名,version と revision です. これらのいずれにも英小文字 (a から z),数字 (0 から 9), ダッシュ (-; 註: revision 中には使えません),プラス (+),ドット (.) のみが使えます. この他の字は使えません. 特に,大文字と下線 (_) が使えないことに注意して下さい.

「パッケージ名」にはソフトウェアの名前 (openssh など) をそのまま使います. version は「upstream バージョン」とも呼ばれますが,これには元となるソフトウェアパッケージのバージョンを使います. version には (2.9p1 のように) 数字以外を使っても構いません. Fink も dpkg もそれらを認識してソートできます. revision はカウンタで,最初は 1 で始まり,パッケージ記述情報への変更回数に応じて 1 ずつ増加します. 「upstream バージョン」が変化すると再び 1 に戻ります. revision にダッシュを使ってはいけません. Fink パッケージの正式名称はパッケージ名,version と revision をダッシュでつないだもので, "openssh-2.9p1-2" などという形式になります.

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